総務省の発表によると、ふるさと納税で全国の自治体に寄付された総額は
昨年、令和5年度は 1兆1175億円。
初めて1兆円を超えました。
前の年度を1521億円上回り、4年連続で過去最高を更新。
また、去年1年間にふるさと納税を利用して今年度の住民税の控除を受けるのは1000万2000人。
前の年度より107万人余り増え、これまでで最も多くなったとのこと。
住民税を納めている人は全国でおよそ6000万人。
6人に1人がふるさと納税を利用したことになります。
寄付額が多かった自治体では、ブランド牛や豚、海産物、酒類などの返礼品が人気を集めた。
また、能登半島地震で大きな被害を受けた輪島市などの6つの市や町に対する寄付額はあわせて54億8000万円。
前の年度の13億1400万円を41億円余り上回った。
寄付額トップは宮崎県都城市
寄付額が多かった自治体は
●宮崎県都城市: 193億8400万円
●北海道紋別市: 192億1300万円
●大阪・泉佐野市:175億1400万円
●北海道白糠町: 167億7800万円
●北海道別海町: 139億300万円など
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また、ふるさと納税の利用⇒住民がほかの自治体に寄付を行った影響で、今年度の住民税が減収の見通しとなっているのは、
●横浜市: 304億6700万円
●名古屋市:176億5400万円
●大阪市: 166億5500万円
●川崎市: 135億7800万円
●東京・世田谷区:110億2800万円 となっています。
リピートされるふるさと納税返礼品とは?
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ふるさと納税返礼品が毎年リピートされることで、自治体の税収が安定。
当たり前ですが、去年と同じだけ(それ以上)ふるさと納税の受注があれば
●返礼品提供事業者は売上の見込み確保
●自治体は税収の目処が立つ
ということになります。
ではリピートされやすい ふるさと納税返礼品とは?
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それは、顧客視点になることが一番重要。
例えば
●食品を注文したけど冷蔵庫に入らない ←ちょうどよいサイズ・容量で小分けする
●手元に届く日を極力明確にする ←◯月◯日に欲しい=注文する目的につながる
(または出荷した時点での連絡がある ←冷蔵庫の空きスペースの確保/届くまでの期待値+顧客満足度の工場)
●「みんなでお裾分け」的イメージができる返礼品
●「焼くだけ」「温めるだけ」手軽なもの
●その土地の旬な食べ物(ほぼ、地元のみで消費)
●ギフトとして◯◯さんに贈りたくなる返礼品
●作り手(生産者)とつながれる喜び+α
●その他… もっとありますが、この辺りで
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具体的にリピートの多い返礼品事例とは?
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【1】地域性と特産品との融合
地域の特産品を活かしたオリジナル商品や、地域の歴史や文化を感じられる体験型商品が人気。
例:
●地元の農家さんが作った旬の果物セット
●伝統工芸体験付き宿泊券など。
【2】高品質で希少性の高い商品
市販品では手に入らないような、高品質で希少性の高い商品が選ばれやすい。
例:
●地元の職人さんが作った手作りの工芸品
●限定生産の日本酒など。
【3】生活に役立つ実用的な商品
日常生活で使える実用的な商品も人気。
例:
●地元産の食材を使った調味料セット
●オリジナルブランドのタオルセットなど。
【4】サプライズ感と特別感
寄付者に予想外の喜びを与えるような、サプライズ感のある商品が印象に残ります。
例:
●寄付額に応じたお礼状
●手書きのメッセージカードなど。
【5】ストーリー性のある商品
商品にストーリーを持たせることで、寄付者は商品だけでなく、地域にも興味を持つようになります。
例:
●生産者の想いが伝わるメッセージ付きの商品
●地域の歴史にまつわる商品など。
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さて
無印良品やハーゲンダッツも
ふるさと納税返礼品事業に参入!
ポイント廃止や
Amazon参入などの話題もあって
これから益々、百花繚乱の市場…
毎年の変化に対応を迫られるかと
ただ
魅力的な返礼品づくり(商品開発)は普遍であり
自治体はPR戦略も含めたシナリオづくりの重要性に変わりはないかと。
自治体はもっと「ふるさと納税」という場を活用して、どんどんPR(地域の認知度向上→地域への愛着/観光資源の活用/移住先へと検討)していくべき!とお話させて頂いてます。
そのためには、
●売れる返礼品 と
●PR・話題用の返礼品
ここの使い分けができるかが、ひとつのポイントです(後述)。
私の周囲でも、あるキッカケで「ふるさと納税」した地域に愛着が湧き、その場所を訪問した方が数名。
訪問…つまり旅行なのですが、その場所で消費することはもちろん、お土産を購入し周囲配る
⇒その人が地域のクチコミを勝手にしてくれている… ことに他なりません。
そこまで地方自治体・地域振興課の方々は考えておられますでしょうか?
わざわざ、返礼品の開発をすることは
忙しい事業主のストレスであることも。
そのような場合は
自治体担当者が「食品ロス・廃棄されるギリギリのモノ」を見出して…
この流れが、返礼品事業主と自治体、そして返礼品購入者にとって
最も良いカタチになることは言うまでもありません。
「モノ」だけでなく「体験」も返礼品になり大人気になる!
無形の商品を扱う企業や、「ウチは返礼品なんて…」という小さな会社ほど、売れる返礼品に変わる可能性を持っています。
それをお忘れなく。
魅力的な ふるさと納税返礼品の事例と考え方 10選
1.体験型返礼品 で考える
例:
●地元の名工による伝統工芸体験
●地元の漁船での一日の体験
●ご当地ヒーローになれる一日
解説:単なるモノの提供ではなく、体験を通して地域の魅力を深く知ってもらうことができます。参加者にとっては貴重な思い出となり、SNSでの拡散効果も期待できます。
2.地域の課題解決型返礼品
例:
●地元の空き家再生プロジェクトへの参加権
●地域の清掃活動への参加権
解説:地域の課題解決に貢献できるという意義深い返礼品は、社会貢献意識の高い寄付者に響きます。
3.コラボレーション型返礼品
例:
●地元の企業とのコラボレーションによるオリジナル商品
●地元のアーティストとのコラボレーション作品
解説:地域の様々な主体が連携することで、より魅力的な返礼品を生み出すことができます。
4.サステナブルな返礼品
例:
●地元の再生可能エネルギーを利用した商品
●環境に配慮した素材で作られた工芸品
解説:SDGsへの関心の高まりを受け、サステナブルな消費を意識する寄付者にとって魅力的な選択肢となります。
5.デジタルコンテンツ型返礼品
例:
●地元の風景写真集
●地域の物語を題材にしたオリジナル動画
●地元の音楽家の楽曲ダウンロード
解説:デジタルコンテンツは、手軽に楽しめるだけでなく、何度も繰り返し利用できるというメリットがあります。
6.寄付額に応じた選べる返礼品
例:
●寄付額に応じて、選べる返礼品のグレードを上げる
●複数の返礼品から組み合わせを選ぶ
解説:寄付者の選択肢を広げ、より多くの寄付を募ることができます。
7.定期配送型返礼品
例:
●地元の旬の野菜を毎月配送
●地元のクラフトビールを毎月配送
解説:定期的に届くことで、寄付者が地域とのつながりを継続的に感じることができます。
8.季節限定の返礼品
例:
●春の筍、夏のスイカ、秋のきのこなど、季節限定の特産品
解説:季節感を味わえる返礼品は、贈答用としても喜ばれます。
9.地域の文化や歴史に根ざした返礼品
例:
●地元の伝統芸能の鑑賞券
●地域の史跡見学ツアー
解説:地域の文化や歴史に興味を持つ寄付者にとっては、魅力的な返礼品となります。
10.遊び心のあるユニークな返礼品
例:
●地元のゆるキャラグッズ
●ご当地ラーメンの詰め合わせ
●地元の特産品を使ったオリジナルレシピ
解説:楽しさを重視した返礼品は、話題性があり、SNSでの拡散効果も期待できます。
まとめ
ふるさと納税の返礼品は、地域の魅力を伝えるだけでなく、寄付者との絆を深めるための重要なツールです。上記のようなユニークな事例を参考に、皆様の地域ならではの特色を生かした魅力的な返礼品を開発し、多くの寄付を集めてください。